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【冬 至 】
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一年中で太陽が最も低くなり、夜が長くなるのが冬至。この日を境に、日は徐々にのびていきます。日本の風習では、この日にかぼちゃを食べて冬場の栄養不足を補い、柚子湯に入って無病息災を祈る行事が行われます。
そもそも、家庭でかぼちゃを冬至に食べる習慣ができたのは江戸時代中期から。栄養価の損失が他の野菜に比べて少ないかぼちゃは、西洋野菜が日本に入るまでこの時期の貴重な栄養源でした。栄養成分の特徴は、なんといってもカロチンを多く含んでいること。カロチンは、体内でビタミンAにかわって肌や粘膜を丈夫にし、感染症などに対する抵抗力をつけてくれます。「冬至にかぼちゃを食べると風邪をひかない」といわれるのはそのためなのです。
冬至に柚子湯に入る習慣も有名です。湯につかって病を治す「湯治」にかけ、更に「柚」には「融通が利きますように」という願いが込められているのだそうです。 江戸の独特の感性が、いかにも日本らしい風習です。