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【梅ジュース】 |
妊娠した同僚の体調を気遣って、職場の年配の女性が梅ジュースを作ってきたことがありました。甘く、ほのかな酸っぱさが身に沁みるその飲み物は、仕事の手を休めて話に加わってきた若いスタッフたちにも大好評でした。
梅がからだに「効く」のは、梅に含まれるクエン酸がポイントだといわれます。クエン酸は、新陳代謝を活発にし、老廃物を体外に排泄する働きがあるからだそうです。また、殺菌効果や整腸作用、肝機能を高める効果もあるので、自然が作り出した「万能サプリメント」といわれることもあります。
中国から日本に梅がやってきたのは、奈良時代よりも少し前。この長い歴史を通じ、梅は様ざまに手を加えられ、日本人のからだを慈しむ特効薬として用いられてきました。
実がころころと太った六月になると、あちこちで梅ちぎりの風景を目にします。そのたびにあの時の手作り梅ジュースを思い出し、ほのぼのとした記憶に喉もとが恋しくなってしまうのです。