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【ユリを食べる】 |
先日、友人に連れられて中華料理店に行ってきました。そこで初めて口にしたのがユリ花芽の炒め物。つやつやとした健康的な明るい緑色に、ほのかな甘みがとても衝撃的でした。
料理人の腕にかかったユリの花芽は、ほっぺをとろけさすうま味と、優しくもシャキッとした触感がとくに忘れられません。若い蕾を口元に持って行く手の動きは、どうにも止めることができませんでした。
中華だけでなく、日本ではユルを食材として用いるのは新しいことではないようです。根を使った正月料理は欠かせませんし、でんぷん性をいかした料理はユリネ団子として紹介されることもあります。また、東洋医学では、血行をよくし、痰を切り、産後に力をつけるなど薬としてもよく使用されるそうです。
姿よし、香りよし、味よしのユリを思うと、その奥深さにあらためて心を動かされたのでした。
ちなみに、食材としてのユリ根は十月から十二月頃が、花芽はちょうど六月から七月頃が味の旬とのことです。