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【茶の間をたのしむ】 |
冬ごもりからさめた植物たちが、初々しい香りをただよわせる頃となりました。うららかな春の日は、家でのんびりお茶を啜っていたくなることもあるでしょう。
そこで、さっそく用意した急須と茶葉。お湯は茶葉の種類に合わせて少し冷まし、湯呑みと急須はほどよく温めておきます。急須の中で茶葉とお湯が一体になるとき、いよいよおいしい時間がはじまるのです。
茶葉の「より」がほぐれ、うまみが少しずつ溶け出す瞬間。
いつもは面倒に感じて、ついゆすったり、他の用事に気をとられ、置きすぎてしまったり…。でも、この間のほどよさこそ葉の「より」がゆっくりほぐれ、おいしさに近づく大切な時なのです。
急須の中がいい加減になったら、湯呑みにしっかりしぼり切ります。ちょっとしたことですが、これもポイントなのです。陽光のあたる窓辺で、ほっと、のんびり。ゆったり待って、さっと出す。そんなリズムを楽しむことが、心にも優しい時間と言えそうです。