|
【和風月名】 |
古人のセンスでぴかいちと思うものの一つに、「和風月名」があります。十二の月に四季を織り込んで、それぞれに名前をつけたことです。この和風月名とは、飛鳥時代から明治改暦(明治六年一月一日)まで使われていた、太陽太陰暦での各月の名前をさしています。
新暦のグレゴリオ暦では周知のとおり月を数字で表しますが、和風月名は太陽太陰暦での季節や行事に合わせて名前が付けられました。そういったことで、新暦に慣れている私たちには、一〜二ヶ月ほど季節感のずれたものになるのです。
四季折々の表情が多様に表現されてきたように、それぞれのネーミングの由来も諸々生じてきました。例えば今月の如月は、暖かさに一度脱いだ着物を寒の戻りでさらに着直す月という意味での「着更衣」説と、暖かさに草木が更生する「生更ぎ」説があるのです。
たんに二月というよりも、如月と呼んだ方がより季節感に富み、自然や文化を身近に味うことができるのではないでしょうか。