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【しめなわ】 |
正月に欠かせない飾り物のひとつに「しめなわ」があります。神棚や玄関の軒下に飾り、台所や水道の蛇口にぶら下げる日本独特の風習です。この時期の「しめなわ」は、一年に一度やってくる年神様のために家を清め、悪い気が入らないよう結界を張るという意味があります。
昔の人にとって、注連縄がいかに大切だったのかというバロメーターの一つに、漢字表記の多さがあげられます。「尻久米縄」「注連縄」「標縄」「〆縄」「七五三縄」と色々あるのです。どう考えたって「しめなわ」とは読めない表記もありますが、それぞれの語源はなかなか面白いものです。
もちろん注連縄は、正月だけに張るものではありません。しかしこの時期、わざわざ新調した「しめなわ」で年神様をお迎えするという心のあらわれに、日本文化の豊かさを見ることができるのです。
飾りつけと取りはずしは十二月二十八・三十日と一月七日ごろ。心を形にあらわした風趣が、今年も目に映えます。