|
【手前味噌汁】 |
毎日の食卓で大切にしたい料理の一つに、味噌汁があります。なんてことのないシンプルなものですが、味噌の調合や実の好みなど、いくらでもアレンジできる面白さはピカイチ。ごはんの副食と思っていると、時に、豚汁や漁師汁などに化けて主役を務めるのだから侮れない存在です。
そもそも味噌汁は、応仁の乱のときに兵食として考案されたのがはじまりといわれます。軍用食ですから、きわめて栄養的、経済的に作られるのですが、米飯を主食とする日本人にとって、味噌汁ほど理にかなった料理もなかったようです。のちの戦国時代には、各地の武将が「兵食研究」として、味噌汁に工夫を凝らしていきます。それが庶民に広がり、今に伝わったことは周知の通りですね。
ふと「これまでに、いったい何杯の味噌汁を、何種類のアレンジで食してきただろう」と想像してみましたが、見当もつきませんでした。明日の朝は、季節限定「手前味噌汁」を楽しんでみようと思います。