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【タナバタ】 |
天の川の両岸で、想いをよせあう彦星と織姫。一生に一度だけの逢瀬、七夕の夜。そんな恋物語が来日する以前、日本には、オリジナルのタナバタ祭りがありました。
宮中儀礼の「タナバタ」は、「祓い清め」がメインとなる祀り事。この時季、猛威をふるう自然災害や、もろもろの倦怠感。そんなケガレを、祓い清めようというものです。
水辺に棚をこさえ、衣を織る巫女が、神様を迎える。楽しく一夜を過ごした神様に、目に見えぬ
ケガレを持ち帰ってもらおう、という魂胆なのです。棚をこさえ、機織姫(はたおりひめ)が祈るので「タナバタ」。奈良時代、これに中国の伝説が合体し、今の七夕祭りとなりました。
こんな事を知った今年の七夕は、楽しみも二倍。雨降りのときは、「あぁ、タナバタ雨が、あたしのケガレを流してくれる」とポジティブに。晴れたら晴れたで、「彦星と織姫が、すてきな一夜を過ごせますように…」と、イマジネーション、ムクムク。都合の良い想いは、楽しい夜の友なのです。