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【お雛さま】 |
あでやかな桃色が、あちこちにほころぶ。菜の花を、のどかに揺らす風吹く頃は、弥生の初め、「上巳の節供」がやってくる。その昔、中国から伝わったこの行事に、人々は清流に臨み、身の穢れや禍を流し、あるいは曲水に宴をもよおすなどして、季節の節目を祝ったと聞く。
日本では、穢れを運ぶ役割に「人形」を大いに活用した。今でも、あちこちに見られる、流し雛のもととなるものだ。後に、お雛さまは夫婦になり、立ち雛やら座り雛やらと、様々な変化をともなって、色々な姿を今に伝えている。
そういえば、ちょうどこの季節。我が家の玄関先に、小ぶりのお雛土鈴がすまし顔。
今年は、ほんのちょっとしたロマンを感じながら、毎日、楽しい気分で出かけて行けそうだな。