|
【さるめさん祭り】 |
時勢はどうでも世間はなんでもおどりコおどたんせ
天地開闢天の岩戸も踊りで夜が明けた (西馬内盆踊り)
伊勢市の猿田彦神社の境内に、佐瑠女神社という小さな祠があります。御祭神は天宇受売命、天の岩戸の前で神楽をし、八百万の神々を大喜びさせた女神です。みちひらきの神・猿田彦に嫁いだ神代の踊り子は、特に芸能関係者からの崇敬が篤いことで知られています。
先月、伊勢への旅で、久しぶりにこの神社に参詣することができました。しとしと降りしきる雨の中、静かな心で手を合わせると、慌しい日々に休止符を入れられたような穏やかな気分に。なぜだか、心を見透かされるような感覚になったのも、この神様ならではの神業かと、ハッとしました。
八月十八日は、年に一度のさるめさん祭りが斎行されます。宵の境内では、暖かな灯火に照らされた景色の中、芸能の祖神にちなんだ行事が楽しめるそうです。
古事記を片手に神代の地を訪ねる旅も、趣があっていいものです。