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【お茶の贈り物】
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茶道の世界で十一月というのは、ちょうど正月に当たる時。なんでもちょっと早く季節の趣を取り入れる茶道の心意気をくんで、お茶の贈り物について書こうと思います。
栄西禅師がここ博多にお茶を伝え、およそ八百年が経ちました。その栄西禅師にちなんでなのでしょうか、九州では、大切なときの心の贈り物として、よく「お茶」が活躍します。特に結納の儀にみられる「お茶を贈る風習」はちょっと面
白いのです。お茶の故郷中国にもその昔あった、嫁入り道具としての「お茶」の特徴をみてみましょう。
一、葉が落ちない
二、摘まれても摘まれても新芽を吹く生命力
三、一度だけ移植をすると、より良質の茶を産する
四、土壌に深くまっすぐ根を張る
五、なにより不老長寿の飲み物である
いやはや、お茶に込められたお嫁さんへの期待というのは絶大なものだったのですね。
いえ、今でも風習が伝えられているのだから「だった」のではなく、現在進行形なのですよね。