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【夏も近づく…】 |
といえば、八十八夜。茶摘み歌にもうたわれる季節の到来です。「八十八夜」とは立春から数えて八十八日目の夜のこと、暦でいえば五月二日頃をさします。京都の宇治では、この頃、ちょうど茶摘みが始まります。四月下旬の萌芽から、約三十日。葉の中に香の成分やうまみが蓄えられたころを見計らって摘むというわけです。
日本はしかし、縦に細長く、地方によって気候が違うのが特徴。茶摘みの順番も、桜前線のように萌芽の早い暖かい地方から始まります。鹿児島や宮崎、南の離島などでは「走り新茶」として早い時期に売り出されるものもあります。同じ新茶といっても、味わいはそれぞれで個性豊かなのです。いずれにしても、その年の気候によって萌芽の時期や“摘み時”は異なるため、農家の方の苦労は、計り知れません。
新茶は、ワインの世界に例えるなら、「ボジョレーヌーボー」。初ものを楽しむ期間限定商品を、今年はみずみずしいうちに楽しみたいものです。